そうや自然学 第1回「シラカバ」

【そうや自然学はじめます】

こんにちは。そうや自然学校の加藤です。

自然学校やアウトドアガイドというと、自然科学分野に強いイメージがありますが、私はこってこての文系。

できれば、アイヌ文化や民俗についても併せてご紹介できるガイドになりたいなという野望があります(笑)

神奈川生まれ神奈川育ち、北海道にきて4か月。

知らないことだらけのこの土地を楽しく知っていけたらと思い、宗谷地域の自然について学んだことをこのブログにまとめてみることにしました。

名づけて、「そうや自然学」。

第1回は、シラカバを取り上げたいと思います。


【シラカバとそうや自然学校】

皆さんはシラカバ(別名:シラカンバ)をご覧になったことはありますか?

道民の方にはお馴染みのこの樹木。中頓別町でもちょっと探してみると、様々な場所で目にすることができますね。

本州の方からしてみると、ヨーロッパの高原を思わせるシラカバのある光景に、どこか幻想的なイメージを持たれる方も少なくないのではないでしょうか。

そうや自然学校では毎年シラカバの樹液を採取し、特定の体験プログラムに参加されたお客様に、シラカバ樹液(アイヌ語でタッニ・ワッカ)で淹れたお茶の提供を行っています。

シラカバ樹液採取の様子(穴あけ)

 

樹液が溢れてきている様子
自然の恵みに感謝して、木の枝で栓をします。こうすると、翌年までには穴がきれいに塞がって、樹へのダメージが少なくて済むのです。

ほんのりと甘く香るシラカバ樹液は、紅茶コーヒーとの相性が抜群。ティータイムにおすすめです。


【シラカバってどんな木?】

シラカバはカバノキ科シラカンバ属の落葉樹で、世界に約40種類があり、北半球の温帯から亜寒帯にかけて分布しています。

シラカバは生育可能な土地条件の幅が極めて広く、明るい場所を好みます。

痩せた土地や山火事の跡地などで見かけたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

明治24年に北海道庁が発行した『開拓の手引き』には、シラカバが生えているところは土地が痩せて地味が悪いところだと書かれてしまうほどでした。

古来、ゲルマン人の間では生命・成長・祝福の木とされたといいますが、それはシラカバのこの逞しさによるものなのかもしれませんね。

ちなみに、花言葉は「いつまでもあなたを待ちます」、「忍耐強さ」、「光と豊富」、「柔和」。

立ち姿は楚々としながらも、力強さをもつシラカバらしい花言葉だとは思いませんか?


【アイヌとのかかわり】

アイヌとは、一般に和人が植民する以前から北海道に居住している少数民族の人々のことを指します。

アイヌの人々は「アイヌ ネノ アン アイヌ(人間らしくある人間)」をめざしどうすれば人間らしく生きられるのか自分に問い続けながら生きています。

彼らは文字は持ちませんでしたが、自然とうまく調和しながら自然への畏敬の念から独自の文化を生みました。

狩猟民族であるアイヌは、木の皮を剥いで即製のス(鍋)をつくり、煮炊きをしながら狩りを行っていました。

スに利用されるヤラ(木の皮)は、大きく剥ぎ取ることができる白樺の樹皮が用いられました。

  • シタッ(本当の樺皮<ウダイカンバ>)

樹皮が厚いためクチャ(仮小屋)の屋根を葺いたり、松明に使われた。

  • メタッ(寒気・樺皮<エゾノダケカンバ>)

樹皮が薄く、傷口の手当や獣の肉を包むために用いられる。

  • キタッ(光る・樺皮<シラカバ>)

樹皮の厚さが程よく、きめ細かく柔軟で加工しやすいことから、主としてピサック(柄杓)に使われた。

また、女性が成人した印として唇や手の甲にする入墨は、石器や刃物でつけた傷口に、シラカバの皮を燃やした油煙を取ってつけたものなのだそうです。


【参考文献】

佐藤 孝夫『新版 北海道樹木図鑑[増補版]』(有璃西社、 2006年)

更科 源蔵・更科 光『コタン生物記 Ⅰ樹木・雑草篇』(法政大学出版局、1976年)

社団法人北海道自然保護協会『森と私たち -北海道自然保護読本-』(社団法人北海道自然保護協会、1988年)

福岡イト子『アイヌ植物誌』(草風館、1995年)


いかがでしたか?

シラカバと人は、北海道だけでなく世界各国で深い関わりがあるようです。

そうや自然学校もアイヌの人々に倣い、自然に敬意をもちながらも、その恵みを大切に活用して沢山の方に親しんでいけたらと思います。

シラカバについて皆さんがご存知のことなど、どしどしコメントいただければ嬉しいです!

本日の内容は簡単にPDFでまとめてあります。

そうや自然学_第1回「シラカバ」

次回の「そうや自然学」もご覧いただけたら嬉しいです!

 

そうや自然学校スタッフ 加藤

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